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家の中でもなる?犬と猫の熱中症 応急処置と対策

動物は体が毛で覆われているので、人間のように汗をたくさんかいて体温を下げることができません。

そのため人間がちょっと暑いと感じるくらいでも、かなりの負担になります。
飼い主さんが十分に気をつけてあげてください。

暑い夏を乗り切るために、『熱中症』について知っておきましょう。

  1. 熱中症とは?
  2. 熱中症の症状
  3. 熱中症の応急処置
  4. 熱中症を防ぐには?
    1. 家の中での熱中症対策
    2. 外での熱中症対策
    3. 外出時の熱中症対策
    4. 日中のお散歩は避けましょう
 
  • 熱中症とは?

    熱中症とは気温の上昇などによって、身体の体温調節がうまくできずに体内の水分バランスがくずれて、内臓や神経などの障害を起こす病気です。
    初期には口をあけてハアハア呼吸したり、よだれをながすといった症状がみられます。末期になると呼吸困難やけいれんを引き起こし、命にかかわります。

    猫は、犬のように外に出る機会があまりないのですが、まれに室内で熱中症になり病院にくる子もいます。犬同様に気をつけてあげてください。

    熱中症の症状

    初期症状
    • 口を大きく開けてハアハアと荒い呼吸をしたり、大量のよだれをたらす
    • 眼が充血したり、口の中や耳の内側の赤みが強くなる
    重症化すると
    • ぐったりして舌が横から出ている
    • 下痢や嘔吐
    • 初期症状と反対に舌の色が紫色になる
    • けいれんを起こす
    • 心拍数の低下にともない血圧が下降して呼吸不全となり、ショック症状を起こして死に至ることもある

    【注意】症状には個体差があり、必ずしも順番通りに進行するわけではありません。
    具合が悪いのをぎりぎりまで我慢することも多いので気が付きにくいこともあります。

    飼い主さんの目から見て、少しでもおかしいなと思ったら病院に連絡してください。

      
  • 熱中症の応急処置

    熱中症は症状の進行が思いのほか早いので、とにかくすぐに身体を冷やして体温を下げることが重要です。

    • 風をあてて冷やす
      身体に霧吹きで水をかけ、扇風機やうちわで風を送り、気化熱を利用して体温を下げる。 濡らしたタオルで身体を覆うのも効果的です。氷水など冷たすぎる水は逆効果になりますので常温のお水にしてください。
    • 保冷剤で冷やす
      タオルを巻いた保冷剤や氷まくらを喉の部分(頭部に流れる血液を冷やす)や内もも、腋などの被毛が薄い部分にあてて冷やす。
    • 水分をゆっくり飲ませる
      少しずつゆっくりと水を飲ませる。スポーツドリンクなどがあれば3倍くらいに水で薄めて飲ませましょう。
       

    【注意】症状が落ち着いても、内臓にダメージを受けている可能性があります。応急処置後は病院で診察を受けてください。

    意識がない時は冷やしながら病院へ!

    上記のように体を保冷剤で冷やしながら早く病院に連れてきてください。
    移動の間も窓を開けるなどして、風通しを良くして下さい。

    来てすぐに処置ができるように必ず病院に電話をお願いします。

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  • 熱中症を防ぐには

       
    家の中での熱中症対策

    真夏の閉め切った室内は想像以上に暑くなります。
    直射日光があたらなくても、風通しが悪いと湿度が高くなるため、熱中症になる危険があります。

    • 直射日光を遮るようにカーテンを閉める
    • 市販のクールマットや凍らせたペットボトルをタオルで巻いたものを置いておく
    • 涼しい場所に自分で移動できるようniしておく
    • いつでも必要な水分をとれるようにしておく
      暑い時は減りが早く、汚れやすいので複数の容器で用意するとよいでしょう
    • 室内の風通しをよくしたり、エアコンや扇風機で温度と湿度を管理する
      長時間留守番させる時は、気温がどれだけ上昇するかわかりませんので、エアコンをつけて出かけるようにしてあげてください
    外での熱中症対策

    外で飼育している場合、日中は気温がかなり高くなります。ハウスが直射日光に当たっていたり、コンクリートの上にある場合は注意が必要です。ハウスが移動できるようであれば日陰に移動してあげましょう。

    • ハウスに日除けを設置して直射日光を防ぐ
    • コンクリートよりも土のある場所にいられるようにする
      ウッドパネルやすのこを敷くのもよいでしょう
    • 風通しのよい日陰にいられるようにつないでおく
      日当りは時間帯によって変わるので注意してください
    • 常に新鮮な水を置いておく。水温が上がらないよう、置き場所にも注意してください。
    外出時の熱中症対策

    日中の暑い時はできるだけ外出を控えましょう。暑い日に散歩をした後や、車の中で留守番をさせたりした時に熱中症を起こすことが多いです。
    またペットと一緒に外出すると、いつもと違う環境に興奮して体温が上がることもあります。適度に休息させるようにしてください

    • こまめに水分補給をさせる
    • カートやキャリーバッグは熱がこもりやすいので通気を良くし、クールマットやタオルでくるんだ保冷剤を底に敷いてあげる
    • 車内ではエアコンの風がちゃんと届いているか確認し、直射日光が当たらないようにサンシェードなどで日陰をつくる
    • 車から離れる時はわずかな時間で車内にペットを残さない
    日中のお散歩は避けましょう

    真夏のアスファルトは想像以上に熱くなっており、50℃を超えることもあります。
    犬は人間よりも体高が低く地面の近くを歩くので、照り返しによる放射熱にさらされています。
    またアスファルトの熱で肉球をやけどすることもありますので、特に注意が必要です。

    日中のお散歩は避けて、早朝か日没後に行くことをおすすめします。お散歩の前にアスファルトを手で触って暑くないか確認してあげると良いでしょう。

      
 

熱中症は命の危険を伴う病気ですが、飼い主さんの配慮で未然に防げる病気です。
人間も辛い暑さですが、動物たちはもっと暑いということを忘れずに一緒に夏を乗り切りましょう。

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